
沖縄の伝統工芸にふれながら、参加者みんなで一つの作品をつくりあげる体験イベント「みんなで織ろう!タペストリー」を、5月12日・13日の2日間、琉球王国城下町「旧上里家」にて開催しました。
今回のイベントは、2026年に株式会社南都が設立55周年を迎えることを記念した周年事業の一環として実施したものです。
今回参加してくれたのは、沖縄県立沖縄盲学校の児童・生徒の皆さんです。
糸の手触りや織機の音、足元に伝わる感覚など、“触れる” “聴く”感覚を通して、沖縄の伝統工芸に親しんでいただきました。


当日は雨の降る城下町。
赤瓦屋根の古民家が佇む町並みには、どこか懐かしく落ち着いた空気が流れる中、体験がスタートしました。
参加した児童・生徒からは、「雨の音がきれいで落ち着く」
「懐かしい感じがしてホッとする」
「雨の音の他にも、太鼓の音やいろんな音がしておもしろい」
という声も聞かれ、機織りだけでなく、その場の空気そのものを楽しんでいる様子が印象的でした。
今回の体験では、機織工房の職人たちが、「どうすれば、機織りの魅力を感じながら楽しんでもらえるだろう」と工夫を重ねながら準備を進めてきました。
まず会場には、児童・生徒の皆さんを迎える手作りのウェルカムボードを用意。
今回織る柄「五四(いつよ)柄」がどんな模様なのか、手触りでも伝わるよう段ボールを使った立体的な柄見本を制作し、実際に触れながら柄の説明を行いました。

職人さんの工夫が感じられます

段ボールを使った立体的な柄見本
横糸にはビニールひもなど、太さや素材の異なるさまざまな糸を用意。
「すごく太い!」「これはやわらかい」「こっちは少しかたい」など、手触りの違いも楽しんでもらいました。
実際に体験が始まると、
「トントンと織る工程が楽しかった」
「ピアノを習っていてペダルを踏むのと踏み木を踏むのは似た感覚だった」
「足で踏む操作は思ったより難しくなかった」
「いろいろな種類の横糸があって、手触りの違いがおもしろい」
「横糸を通す時、経糸に引っ掛かって難しかった」
など、それぞれが自分の感覚を通して織物の魅力を感じている様子が見られました。
また、経糸(たていと)に直接触れ「張りが強いところと弱いところがある」と、細かな違いを感じ取る場面もありました。
織機の操作にも、さまざまな工夫を取り入れ、足元の踏み木には、おはじきを使って、足裏の感覚で位置がわかるよう目印を付けました。


また、杼(シャトル)や板杼などの道具も自由に触れられるよう用意し、「これはどんな道具なんだろう」と、興味深そうに手に取る姿も見られました。

職人さんの心遣いが感じられます

5月12日の中学部の体験では、最後の工程を終えた瞬間、周囲から自然と拍手が起こり、みんなで完成を喜ぶ場面も。
一人ひとりが糸をつなぎ、みんなで一つの作品を織り上げることで、会場には達成感とあたたかな一体感が広がっていました。


2日間で完成したタペストリーは、5月12日は約49cm、5月13日は約33cmの長さとなり、参加した皆さんの想いがつまった作品に仕上がりました。


完成したタペストリーは、2026年夏休み期間中、王国歴史博物館で展示を予定しています。
展示の際には、多くの方に織物の魅力を体感していただけるよう、実際に触れて楽しめる形での公開を予定しています。
おきなわワールドでは、これからも沖縄の文化や手しごとの魅力に触れる体験を通して、多くの方に伝統工芸の魅力をお届けしてまいります。









