日本酒や焼酎、そして沖縄の泡盛といった「伝統的酒造り」が、このたびユネスコ無形文化遺産に登録されました。日本が登録されるのは、2022年の「風流踊」(豊作祈願や厄払い)以来の快挙。
日本の「伝統的酒造り」は、約500年前にその原型が確立されたとされ、麹菌(こうじきん)というカビの一種を用いて蒸した米などを発酵させる、独自の技術に基づいています。
この製法は、全国の杜氏たちが代々手作業で受け継いできたもので、特に「並行複発酵」と呼ばれる、一つの容器内で複数の発酵を同時に行う工程が世界的にも珍しい特徴として注目されています。(ワインは単発酵といいます。)
改めて、沖縄の酒文化「泡盛」についてご紹介しますね。
沖縄が誇る泡盛の魅力
ユネスコ登録を機に、沖縄独自の酒文化である「泡盛」にも再び脚光を浴びることになりますね。
泡盛の最大の特徴は、熟成によって「古酒(くーす)」へと進化します。沖縄では古酒文化が根付いており、年代物の古酒は特に人気を集めています。
ワインやウイスキーのように、時間の経過が新たな価値を生む泡盛。
中でも「仕次ぎ」という技法は、古酒を楽しむための独自のプロセスとして注目されています。
この手法では、複数の甕(かめ)に異なる製造年の泡盛を貯蔵し、古い酒を使用した際に、新しい泡盛を足して補填することで、最古の風味を維持しながら熟成を重ねていきます。これにより、数十年物の古酒が楽しめるようになります。
泡盛は瓶でも熟成が可能ですが、深みのある味わいを楽しむためには甕を使った仕次ぎがおすすめです。
三年以上熟成されたものを沖縄方言では「古酒(くーす)」として珍重。時間をかけ寝かせるほど甘い香り、芳醇な味わいになり泡盛古酒の味わいの深さに魅了されます。
そして泡盛の魅力として古酒は、仕次ぎで育つと言われています。
歴史ある古酒育成方法ですが、秘伝や口伝により伝えられその実態や品質についての十分な情報がありませんでした。
一般的に「仕次ぎ」は、複数の甕(かめ)に製造年の異なる泡盛を貯蔵し、貯蔵年数の⾧い古酒の一部を使用した際、貯蔵年数が近い古酒から順に酒を注ぎ足して補填していきます。この工程を経ることで親酒(最古)の風味は損なわれず、数十年物の古酒が楽しめるようになります。
泡盛の仕次ぎと専門家の知見
沖縄国税事務所が主催する「泡盛仕次古酒・秘蔵酒コンクール」では、専門家による品質評価が行われており、以下のような興味深い知見が得られています
- 仕次ぎによって「バニラ」や「甘い香味」の特性が強化される
- 甕貯蔵により「刺激感」が抑えられる
- 甕貯蔵で「カラメル様」の特性が付加される
※国税庁:仕次ぎの効用より一部引用
上原酒造 神泉プレミアム 七年古酒
上原酒造の蔵に眠る貴重な古酒。その中から七~八年ものの原酒を三種類厳選、泡盛の本道を突き詰めてブレンドした数量限定の古酒。七年古酒の神泉プレミアム
杜氏の拘りの酒造りで生まれた希少な古酒で、泡盛らしい重厚な香りに濃縮した果実のような濃厚な甘味を持たせ、雑味のないすっきりとした口当たりに仕上げたバランスのよい正統派の味わい。泡盛本流を求める人にこそ味わって欲しい自信の逸品です。
※泡盛業界で唯一電子技法をとりいれた上原酒造。詳しくはこちら
伝統と技術の結晶である泡盛を、楽しんでみてはいかがでしょうか?
■南都酒造所
沖縄県南城市玉城字前川1367
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