はいさい。
南都酒造所の中村です。
先日、ブログでご紹介した「沖縄の地酒【泡盛】の愉しみ方」はいかがでしたか。
前回に引き続き、琉球泡盛の最大の魅力をお伝えしたいと思います。
泡盛の魅力は熟成することで古酒に成長するお酒です。沖縄では古酒文化が定着しており、年代物の泡盛古酒が注目されています。ワインやウイスキーなど洋酒のように時間をかけ、何年も何十年も時を経ることで新たな価値が生まれます。
三年以上熟成されたものを沖縄方言では「古酒(クース)」として珍重。時間をかけ寝かせるほど甘い香り、芳醇な味わいになり泡盛古酒の味わいの深さに魅了されます。
9月4日は「古酒(クース)の日・仕次ぎの日」
2000年に「古酒の日フェスタ2000」(同実行委主催)が9月4日は古酒の日と制定しました。かつて琉球王朝時代に二百年物や三百年物の古酒(クース)が存在したと言われていますが、沖縄戦により全て失われしまいました。古酒は琉球王府が管理し高貴なお酒だったのです。
沖縄の宝ともいえる古酒(クース)を育てる文化を復活させよう、そして戦争のない平和な日々が続くことを願って定められた記念日が「古酒の日」なのです。ご家庭で百年、二百年と古酒を育てる事ができ、世界でも他に例を見ない銘酒が泡盛古酒です。
そして、2022年には「仕次ぎの日」として新しく定められました。泡盛の魅力である古酒は仕次ぎで育つと言われており歴史ある古酒育成方法ですが、秘伝や口伝により伝えられその実態や品質についての十分な情報がありませんでした。
一般的に「仕次ぎ」は、複数の甕(かめ)に製造年の異なる泡盛を貯蔵し、貯蔵年数の⾧い古酒の一部を使用した際、貯蔵年数が近い古酒から順に酒を注ぎ足して補填していきます。この工程を経ることで親酒(最古)の風味は損なわれず、数十年物の古酒が楽しめるようになります。
泡盛は瓶で熟成させることもできますが年代物の古酒を楽しむ為、仕次ぎでは甕をおすすめします。
※沖縄国税事務所の発表『泡盛仕次古酒・秘蔵酒コンクール』の出品酒について、専門家による品質評価の結果を解析したところ、以下のような新たな知見が得られました。
・仕次ぎにより「バニラ」、「甘い香味」の特性が増強される
・甕貯蔵により「刺激感」が低減される
・甕貯蔵により「カラメル様」の特性が付与される
※国税庁:仕次ぎの効用より一部引用
神泉プレミアム 七年古酒
上原酒造の蔵に眠る貴重な古酒。その中から七~八年ものの原酒を三種類厳選、泡盛の本道を突き詰めてブレンドした数量限定の古酒。七年古酒の神泉プレミアム
杜氏の拘りの酒造りで生まれた希少な古酒で、泡盛らしい重厚な香りに濃縮した果実のような濃厚な甘味を持たせ、雑味のないすっきりとした口当たりに仕上げたバランスのよい正統派の味わい。泡盛本流を求める人にこそ味わって欲しい自信の逸品です。
伝統的な酒器から古酒を注いだ瞬間、香りとともに泡盛古酒の世界へ誘います。
※泡盛業界で唯一電子技法をとりいれた上原酒造。詳しくはこちら
玉泉洞で寝かす五年古酒
おきなわワールドが誇る鍾乳洞・玉泉洞出口付近にある「古酒蔵」。
泡盛をベースに、ハブのエキスと13種類のハーブ(薬草)をブレンドした薬草酒「長寿乃邦」です。鍾乳洞内の温度・湿度が安定した暗所で長期間寝かせることによって旨みがどんどん増していきます。
30万年の年月によってつくられた玉泉洞では、全国のお客様から預かった大切な酒を5年間保管し熟成の時を待っています。お子様の成人式やご結婚、新築祝いや様々な記念日などご利用ください。
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